水が無いので水産合羽が発達!

 

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アメリカ屋の 「おんちゃん」

わたしがアメリカ屋入社時に通称「おんちゃん」と働くことになりました。

元船乗りでしたが船上での事故の大怪我で漁師を続けられなくなり、

アメリカ屋で働いていたのです。

「おんちゃん」は、北転船の乗船期間が長く

船内の生活・漁の様子等色々なことを話してくれました。

「北転船での漁は、寝るひまも無く、重労働で過酷だが金になったな~

タラ・オヒョウ・カレイ等を底引き網で獲ってたんだ。

漁が良いと寝る暇もメシを食う暇もなくてな~

寝ながら?仕事してたもんだ(自慢)」

 

海の上に居るのに「水が無い」????

船の生活は、陸の生活と することはほぼ同じだが・・・

1番の違いは、沖に出れば少々のことでは戻れない、

足りない・忘れたから買ってくる取ってくるなんてことは出来ないんだ。

なんてったて漁が最優先で漁具が大事

少々の修理なんかは工夫してほとんど沖でやってた。

そして生活の仕方が違うんだ。

揺れるため食器は、ガラス・瀬戸物など壊れやすい物は使えないし、

テーブルはマージャン卓のように天板が滑りにくく、

フチを高くして、食器などの滑り落ちを防いでいる。

料理も個々に盛り付けずに、大皿に盛って各自で取り分けるが、

テーブルも狭いので食器を多く使えない。

時化のときは、汁物は少なく取らないとこぼして怒られたり・・・と

そしてなにより 入浴、洗濯に使うのが「海水」だ・・・

真水は、入浴時の上がり湯のみとか

洗濯もすすぎのみが真水とか・・・

とにかく真水の使用制限が厳しくて大変だった。

もちろん陸からは積めるだけは積んで行くし

製水機もあるんだが、

性能が良くなくて全然水が足りないんだ。

だから無事、漁が終わり、帰港中の湯船のお湯が塩水から、

真水に変っていると「ほっ」とするんだよな・・・

そして家族のことや休みに何しようかなんてことも考える

余裕が出てくるんだ・・・・

 

水がないとどうして水産合羽が発達するんだ???

洗濯の水にも制限があるので、

着替えを一杯持って行ければよいのだけれども、

自分で使える分の場所なんていくらも無いんだ。

狭い部屋に2段ベットを2列、あいだの畳1枚分が通路兼4人分の居間?

寝台の幅も70cm位しか無く寝返りがやっと・・

ロッカーも二人でひとつ・・・

その場所に着替え:予備の合羽、長靴、手袋:嗜好品:本等

一杯持って行きたいのは山々だけど、

寝台の足元にも置いたりと工夫はするけど無理なんだ。

汚れた体のままでは居住スペースに入れない。

合羽の中は汚れてないので合羽を脱げば居住スペースに入っていける。

作業中は寒さ・ケガ等から自分を守ってくれる合羽は、

居住スペースを汚れからも守っているんだ!

まぁー漁でいそがしいときは洗濯なんて、

してる暇も したくも無いけどな・・・

 

寒さ対策で今の合羽の原型が完成

オホーツク・ベーリング海での漁は寒さとの戦いだ!

マイナス20度・台風並みの時化での作業、

この過酷な作業環境に立ち向かえる漁師合羽は、

日本製のゴム合羽だけだった!

補修もしっかり出来て、とっても頼りになったよ!

合羽の中に水が入ってきたら冷たく、痛く動けないし、

凍傷になる事も・・・

だからジャンバーの袖を2重袖に

しかも内袖をアメゴム一体型にして、

水の浸入を防いだり(今は共生地製)

2重前立てで水が入るのを防ぎ、網がボタン(いまはファスナー)

に絡むのを防いでいる。

胸付ズボンも大量の水しぶきを被っても大丈夫!

素材もゴム製でとにかく丈夫だし、寒さで硬くならない。

(現在は重くて一部地域を除いてほとんど着られなくなっている。

ミツウマをはじめメーカーは、ゴム合羽の製造販売から撤退)

そして機械や網に引っかかりにくい・巻き込まれないシンプルな

現在の合羽と主な構造がさほど違わない、合羽が出来上がった。

漁師さんからの相当厳しい改善要求があった事が容易に想像できる。

その要求に応えて合羽等を改良していったメーカーにも驚きです。

現在の合羽は、ゴム合羽から塩ビ製合羽へそしてウレタン製へと軽く動きやすく、

色彩も年々派手に・おしゃれに・カッコよくなってはいるが、

合羽の基本的構造・役割は変わっていないのです!

 

それにしても・・・・

 

おんちゃんの北転船話しを聞くたびに、

当たり前のように食べていた魚や笹かまぼこ等に、

大変な苦労と危険が隠れていたとは・・・

そして海の作業を支えてくれている方々に、

感謝・感謝です!

 

 

 

 

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